肺癌の検査と治療

肺癌の検査

胃癌と子宮癌の患者さんは減少傾向にあるそうです。逆に、肺癌は徐々に患者さんが増加しつつあり、大腸癌、乳癌も増加傾向にあるそうです。このうち肺癌は死亡率も上昇しています。早期発見による死亡率の低下をめざし、ヘリカルCTによる検診システムが試行され始めました。なお、喫煙が大部分の肺癌に関連していることが分かってきました。副流煙(近くでたばこを吸っている人の煙を吸ってしまう事)の害もかなり大きいことが判明してきました。喫煙者の方には申し訳ないですが、もう自分の嗜好だけの問題ではなくなっています。やめていただくしかないでしょう。医師の喫煙も以前と比べるとかなり減少しています。病院内の禁煙も常識となっています。

まずは検診!

肺癌早期発見のキーワード

肺癌を患った私が声を大にして伝えたいこと、肺癌早期発見のキーワードは『風邪』です。肺癌の初期症状には、なかなかはっきりとした自覚症状がないのが特徴です。少しでも初期症状に思い当たる点があれば、すぐに診察を受けることをお勧めします。風邪が長引いてはいませんか、痰の量が多くありませんか、痰に血が混じっていませんか、胸が痛いなどその他気になる症状はありませんか?気づいたら肺癌の末期だった、などということにならないために、思い当たる症状がない人も、定期的にがん検診を受けましょう。何度も言いますが、これは肺癌を患った私の経験上からのお話です。

肺癌と痰

肺癌で咳が出るのは、喉から肺に通じている気管支に出来たがんによる粘膜の炎症が原因です。痰は、がんによって気道が狭まるため、気道内の分泌物が痰となって出るのが原因です。炎症が進むと、炎症箇所から血が出て痰と混じります。肺癌の主な初期症状である、乾いた咳が続く・痰の量が増える・血痰が出る・胸痛がする、などを『風邪』の症状であるととらえてしまう人が多いのです。しかし、『咳ばかりが随分長く続いている』『痰に血が混じっている』など、些細な異変に気づいて下さい。

肺癌の早期発見と煙草

私も最初気がつかなった肺癌は初期症状が風邪に似ているので、それらで肺癌であることを確信するのが難しいといえます。これが肺癌の早期発見を困難にしている原因となっています。特に喫煙者、その中でもいわゆるヘビースモーカーの人は、咳や痰などの症状を日常的に感じている場合があるため、がんの初期症状を見逃しやすくなっています。タバコは、肺癌の大きな要因です。

もしかしたら癌かもしれない貴方へ

肺癌の診断

肺癌は、最終的な診断は、病理検査(細胞診断、組織診断)ということになります。放射線診断上の言葉で、画像診断検査で見えるかたまりの事を「結節」といいます。3cm以下の大きさのかたまりを結節とし、3cm以上の場合を腫瘍と表現します。結節や腫瘤を作らず、じわじわと這っていくがんもあります。こういうがんは、正常部分との境界がはっきりせず、診断およびがんの範囲の特定に難渋することになります。血痰や咳嗽などの症状があって、検査の結果判明する場合、症状がないが検診などで、異常があって、精査の結果見つかる場合の2つに分かれます。肺癌検診で見つかった場合のほうが、小さい段階で見つかることが多く、症状があって見つかった場合に比較すれば、後の経過も良いようです。肺癌検査は、X線CT、内視鏡、喀痰検査を主とします。最近は、これらに加えて、転移の検査のために、シンチグラフィーやPETが行われようになってきています。しかし、大事なのは、X線CT検査と内視鏡です。

肺癌の診断方法
(1)胸部単純X線写真
最近は、下記のCT検査で発見される方が増えてきましたが、それでもやはり、普通の胸部のX線撮影で発見される方のほうがはるかに多いです。私も胸部のX線撮影で肺癌が見つかりました。胸部には、心臓や食道、大血管などがあり、このために肺癌が隠れて見えないことがあります。また、10mm以下の塊は発見しにくく、限界があるのも事実です。そのため、CT検査による検診システムが開発されつつあります。しかし、被曝の問題があるので、一般に用いられるようになるかどうかまでは不明です。治療後の肺癌の経過を見るには最適な方法と思います。
(2)CT
肺癌の診断の基本となる検査です。この検査を行わなくては、肺癌の治療方針がたちません。MRIによる肺癌の検査も行われつつありますが、ある程度大きくならないとわかりませんし、MRIだけで治療方針をたてるのは無理です。MRIと違って、検査のスピードが速く、体内に金属があっても問題がないので、肺癌が疑われたら、最初に行うべき検査です。現在の最新のCT装置では、肺全体を約10秒で細かく検査することができます。肺癌検査のスピードが上がったため、肺癌検査の待ち時間も減っていて、予約なしでできる病院も増えています。CT検査に1週間以上の予約が必要な病院は、混んでいるのではありません。性能が悪いので、数がはけないのです。速くできる病院に紹介してもらいましょう。新しい器械のほうが画質も良好です。CT検査では、次のような項目をチェックします。

肺癌の治療方法

どのような病気にも治すための薬や治療方法がありますが、癌などの重い病気になれば多くの薬や治療方法があります。癌の場合は、進行度合いが進むほど治療のやり方も大掛かりなものになり、時間や費用も多くかかってしまいます。本当は、早期に発見して早めの治療というのが理想的なのですが、検査が遅くなり癌が悪化している仕方の無い場合もあります。特に肺がんは進行度合いが速くなっていますので、発見したときは早急に治療を始めなければいけません。

肺癌の3つの治療方法

肺癌の治療方法は、外科療法・化学療法・放射線療法になっていて、大きく分けるとこのような3つの方法に分けることができます。

(1)外科療法
外科療法は、癌があまり進行していない、初期くらいの状態のときの肺癌の治療方法です。手術で癌に侵されている箇所を切除するという、比較的に簡単な治療になっており、予想より癌が進行していた場合は肺の全摘出も考えられます。肺の機能が低下してしまいそうな人は、抗がん剤の治療だけになることもあり、抗がん剤と手術の両方を行う場合もあります。
(2)放射線療法
放射線療法は、放射線を使った肺癌の治療方法で、放射線で癌細胞を消滅させていきます。この放射線治療には2種類あり、体外から放射線を照射する体外照射と、針やカテーテルを体内に入れて癌細胞に直接放射線を照射する体内照射があります。放射線療法は、癌の種類や進行度合いによって分けられていますし、1日1回で週に5回まで照射できて1ヵ月から1ヵ月半くらいの治療期間が必要です。
(3)化学療法
化学療法は、抗がん剤を使った肺癌の治療方法で、体全体に対して行う治療で癌細胞を消滅させていきます。抗がん剤だけの治療もありますが、最近では外科手術と抗がん剤を、組み合わせて行う治療方法も行われるようになってきました。抗がん剤は副作用があるため、投与している間は辛い日々が続きますが、治すためだと思って頑張るしかありません。肺癌の治療方法は色々とありますが、早めの発見で肺癌の治療も簡単なものになりますので早めの検査を心がけてください。